SHIROのIchigoJam日記

マイコン「IchigoJam」(イチゴジャム)の電子工作とプログラミングをメインに

電子LEDリレー

ロジックIC回路で8個のLED点灯を横へリレーする基板を作ってみました。
紹介動画はこちら。

www.youtube.com


ボタンを押すと、LEDが光って左から右へリレーします。


横に連結すると、続けてリレーできます。

遊び方

  • 電源を入れると、8個のLEDが全部光って、その後消灯します。
  • ボタンを押すと、LEDが光って、左から右へリレーされます。
  • ボリュームを回すと、リレーのスピードが変わります。
  • オプションのピンソケット・ピンヘッダを付けると、横に連結して続けてリレーできます。

回路図


シフトレジスタIC・74HC595でデータをシフトして、LEDを光らせています。

  • トランジスタ2個の弛張発振回路で、シフトクロックを作っています。コンデンサC1への充電電流は可変抵抗器(VR)を通しているので、VRを回すとリレーの速度が変わります。
  • シフトレジスタのシリアル入力はR2でプルアップされているので通常はHで、シフトレジスタの出力もHになります。出力につないだLEDはシンク(吸い込み)回路になっているので、通常は光りません。
  • ボタンが押されるとシリアル入力がLに落ちるので、シフトレジスタの出力がLになってLEDが点灯し、QA→QHへリレーされます。
  • オプションですが、シリアル入力に入力コネクタCN1、QH'出力に出力コネクタCN2を付けられます。複数の基板を横につなげて、基板間でLED点灯をリレーすることができます。

基板データ

*同じ基板を2枚割り付けています。
*この基板データは、CC BYライセンスとします。どうぞご利用ください。

(C) 2023 Shiro Saito (https://www.ichigojaman.jp)

材料

以下の順番ではんだ付けすると作りやすいです。

オプションでピンソケットとピンヘッダを付けると、複数の基板を横につないでリレーできます。

最後に

モノタロウのカタログで「LED順送りキット」を見て、「これくらいならカウンタICで簡単に作れるんじゃないか?」と思って作り始めました。
「シフトレジスタにして複数光らせてリレーできるようにしよう」「ボリュームを付けたらスピードを変えられるんじゃないか」などとあれこれ発想が膨らんで、結局何度も基板を作り直しました。

IchigoJamのプログラム


試しにIchigoJamで組んでみました。

  • スペースキーを押すと、LEDが点灯して左から右へリレーされます。
  • カーソルキーの↑と↓を押すと、WAITの数が変わってスピードが変わります。
10 '*LED RELAY
20 CLV:VIDEO 3:CLS
30 W=20
40 @LOOP
50 FOR L=7 TO 1 STEP -1
60 [L]=[L-1]
70 NEXT
80 [0]=BTN(32)
90 LC 0,0
100 FOR L=0 TO 7
110 ?CHR$(232+[L],0);
120 NEXT
130 W=W-BTN(30)+BTN(31)
140 LC 0,2
150 ?"WAIT=";W;" "
160 WAIT W
170 GOTO @LOOP

IchigoJam webではこちら。

クリスマスツリー+植木鉢基板2023

以前に作った「クリスマスツリー+植木鉢基板」
www.ichigojaman.jp
の改良版です。回路を見直して部品数を減らしました。
IchigoJam/IchigoDakeに差してプログラムでLEDを光らせることもできますし、植木鉢基板に差してコンピュータ無しでランダムに光らせることもできます。

ツリー基板


8個のLEDと、デコーダーIC・74HC238が載っています。

IchigoJamのCN4ソケットに差すと、「OUT 0」~「OUT 7」でLED0~LED7の8個のLEDがそれぞれ点灯します。
※前のバージョンは「OUT 8」で全消灯したのですが、今回はその機能はありません。
プログラムの詳細は、立型クリスマスツリー基板のページを参照してください。

回路図

抵抗内蔵LEDを使って部品数を減らしています。

基板データ

*この基板データは、CC BYライセンスとします。どうぞご利用ください。

(C) 2023 Shiro Saito (https://www.ichigojaman.jp)

植木鉢基板


ロジックICが2個載った基板です。
発振回路にICのゲートを使って、以前のバージョンより部品数を減らしました。
また、電池ケースをピンで基板に固定するタイプにして、組み立てやすくしました。

回路図

NANDゲート・7400と、4ビットシフトレジスタ・4015の2個のロジックICを使った論理回路です。

  • NANDゲート×2個(7400-A・B)を使って発振回路を組んでいます。
  • シフトレジスタの出力の一部(Q2A・Q3A)を、NANDゲート(7400-C・D)などを通してシリアルデータ入力へ帰還をかけて(線形帰還シフトレジスタ)、疑似乱数を出力しています。ピンソケットにツリー基板を差すと、8個のLEDがランダムに光ります。
  • 帰還部分のゲート回路は、XNORゲートの等価回路になっています。

  • XORゲートの等価回路とされる上側の回路を変形して、下側の回路のようにNANDゲートだけでXNORゲートを実現しています。これでゲートICをNANDゲート・7400の1個だけに減らしています。

ツリーのLEDをずっと観察するとわかるのですが、LED0~LED7の8個は以下のパターンで繰り返し光ります。
0→1→3→7→6→5→3→6→4→1→2→5→2→4→0→…(最初にもどって繰り返し)
IchigoJamでのシミュレーションプログラムはこちら。Q3~Q0の4ビットの出力と、点灯するLED番号が、1秒ごとに表示されます。

10 CLV:CLS
20 @LOOP
30 ?BIN$(R,4),R&7
40 WAIT 60
50 A=(R&8>0):B=(R&4>0)
60 Y=!(A^B)
70 R=R<<1+Y
80 GOTO @LOOP

8ビットシフトレジスタ(74HC595など)を使って出力ピン数を増やせばもっと長いパターンにできるのですが、クリスマスツリーのLEDですし、そこまでしなくてもいいかと思います。

基板データ

*同じ基板を2枚割り付けています。
*この基板データは、CC BYライセンスとします。どうぞご利用ください。

(C) 2023 Shiro Saito (https://www.ichigojaman.jp)

IchigoJam Q

IchigoJamの最新バージョン「IchigoJam Q」が発売になりました。
hello002.stores.jp
hello002.stores.jp
ハーフキットを取り寄せて、組み立ててみました。


ハーフキットのパッケージ。


基板。「基板の製造・実装を国内メーカーに切り替えた」とのことですが、材質やデザインが初代IchigoJam基板にそっくりなので、同じメーカーかもしれません。
付いているICはLPC1114で、IchigoJam Sと同じです。


はんだ付けして完成。


Sとの一番の違いは、電源USB端子がType BからType Cに変更されたことです。
秋月電子ではこちらのパーツが使えそうです。

世の中のUSBケーブルも、だんだんType Cが一般的になってきています。
あと、はんだ付けの際にType B端子の足が折れる事故が頻発していたのですが、今回のType C端子は足が太く、あらかじめ90度曲げられているので、折れる事故は減りそうです。


SとQの比較。電源端子以外はほぼ変わっていません。


モニタとキーボードをつないで電源ON。
ファームウェアは1.4.3の日本語キーボード版でした。
ファイル3番に日本語/英語キーボード切替ツールが入っているので、英語キーボードを使いたい人はそれを実行すると切り替えできます。