SHIROのIchigoJam日記

マイコン「IchigoJam」(イチゴジャム)の電子工作とプログラミングをメインに

大人の皆さんへ:(2)携帯安全教室+家庭内ルール

 実際に携帯を子どもに買い与えることになったら、くれぐれも「はい、契約してきたから」とそのまま子どもに手渡してはいけません。

携帯安全教室

 携帯を使う前に、まずは基本的なルールや危険への対策などを親子で確認しましょう。

  • 人を傷つけるようなメールや掲示板の書き込みはしない。
  • 危ないサイトには近づかない。
  • 怪しいメールは見ない。開かない。
  • 自分の個人情報(名前、住所、電話、学校、顔写真など)をむやみに書かない。載せない。
  • ネットで知り合った人にむやみに会いに行かない。
  • ネットショッピングやダウンロード販売などで無駄遣いしない。
  • 架空請求は無視する。返信しない。
  • チェーンメールは転送しないで自分の所で止める。

 これは小学校でやる「交通安全教室」と一緒です。なぜあれだけ交通安全教室をやるかと言えば、交通ルールや事故の危険性を知らないで道路に出ると、たちまち危ない目に遭ってしまうからです。
 同様に、携帯を持つという事は、それを通じてインターネットという新しい世界へ入っていく訳ですから、その前に「携帯安全教室」で危険性やルールを知っておかないといけません。
 携帯に関する基本的なルールや危険への対策については、私も出前講座「子どもと携帯電話」で話しているのですが、今は本や教材もたくさんあります。
 無料で見られるものとしては、例えばモバイル社会研究所が作ったテキスト「みんなのケータイ」があります。
「みんなのケータイ」
http://www.moba-ken.jp/theme/kidsmobile/textbook
 携帯のいろいろな問題と対策について、マンガを使ってわかりやすく解説しています。
 ただし、発行元がNTT Docomoが作った研究所ですので、最後の方に「おさいふケータイ」などの宣伝が入っています。そこは見たい人だけ見て下さい(笑)

家庭内ルールを決める

 基本的なルールや対策を押さえた上で、それぞれの家庭の事情に応じた「家庭内ルール」を決めてください。例えば、

  • 夕食時には電話やメールをしない
  • 夜○時以降には電話やメールをしない

などです。
 これは「学校/行政が言うから」や「情報センターの斎藤が言っていたから」ではなく、子ども本人や家庭の状況に応じて、最終的には保護者の意志と責任で決めてください。
 これは別に責任逃れで言っている訳ではなく、親子の信頼関係を壊さないために必要だと私は思っています。
 もし私が高校生男子だったとして(無理がありますが…)、「学校/行政が言うから」「○○先生が言うから、夕御飯の時は携帯禁止」と親に言われたら、私はこう思います。
 「ああ、この人は目の前の僕のことをちゃんと見ようとしないで、僕の事なんか知らない赤の他人の先生の言うことを信用するんだ」
 こんなにはっきり言葉にはならないかもしれませんが、子どもはこのくらいのことは考えます。
 逆に、親が自分の責任で「私はあなたとちゃんと向かい合って夕御飯を食べたいのよ」と言えば、子どもは
 「ああ、この人は理屈はムチャクチャだけど、ちゃんと僕に向かい合おうとしているな。何とか僕のことをわかろうとしているな」
 と思います。
 行政や学校の受け売りで言うのではなく、「あなたのことを考えて決めた」という親の愛情あるメッセージとして、子どもに伝わることが大事だと思います。

親子の意識の差を埋める

 保護者の皆さんの話を聞くと、小学校高学年〜中学生になると塾や部活で帰りが遅くなる事があり、今は不審者やストーカーなどの危ない事件もありますから、「子どもに何かあっちゃいけない」「いつでも連絡が取れるように」と「電話」として携帯を買い与えるようです。
 しかし、今時の子ども達に「携帯って何ができますか?」と聞くと、

  • 1.メールが送れる
  • 2.写真が撮れる
  • 3.ネットが見られる
  • 4.音楽が聴ける

 ずっと下に行って

  • X.電話「も」できる

なのです。
 つまり、子ども達にとって携帯は「電話」ではありません。「情報ツール」「コミュニケーションツール」なのです。大人と子どもで意識が全然違うのです。
 こんな「意識の差」を埋めるためにも、最初に親子で話し合いをすることが大切だと思います。
 追記すれば、多くの中高年男性が言う「子どもなんて仕事してる訳じゃないんだから、携帯なんて要らないだろう」も、「携帯=電話」だと思っているから出てくる言葉で、「ケータイ=情報ツール」と思っている子ども達にとっては全く的外れなのです。
 子どもには大人と違う「携帯の使い道」や「携帯の必要性」があるのですから、まずはそれを理解しないと対策も何も始まりません。