SHIROのIchigoJam日記

マイコン「IchigoJam」(イチゴジャム)の電子工作とプログラミングをメインに

子どものみなさんへ:(8)過去の「事実」は変えられないが「意味」は変えられる

 これまで親や周囲の大人に「おまえなんてダメだ」などと傷つけられて、「こんな自分にされてしまった」「自分なんてどうせダメだ」といったつらい思いを抱えて生きている子どものみなさんもいるかもしれません。
 そんな方に、カウンセリングの中から、この言葉を贈ります。

過去に起きた事実は変えられないが、自分の中のその過去の意味は、これから変えられる

 過去に起きてしまった事実やつらい経験は、残念ながら変えることはできません。
 しかし、自分の心の中での、その過去の「意味」はこれから変えられます。つらい、苦しい過去のできごとでも、これから生きていく中で、大切な自分自身の一部分にできる可能性があります。
 これはただ「がまんしろ」「忘れろ」と言っているのではありません。
 よく私たちは「そんなにくよくよするな」「水に流して忘れろ」などと言いますが、そう簡単に過去を忘れられるものではありません。前回の記事でも書きましたが、自分にとって大切なことだからこそ悩んだり傷ついたりするのであって、大切なことは都合良く忘れたり消したりはできないのです。
 一度ちゃんと向き合って、「私は本当はどんな気持ちなのか」「どう生きていきたいのか」「何を言いたかったのか」などと自分の中の気持ちを自分で確かめることで、初めてその過去を自分の一部分として位置づけて、次に進むことができます。
 このように、自分の中にある気持ちや感覚に向き合うのに、心理学・カウンセリングの中では「フォーカシング」という技法があります。私の個人ホームページでも書いていますし、フォーカシングの本もいくつか出ていますので、参考にしてください。
 過去の事実は消せませんが、その過去の意味はこれから変えられます。
 「どうせこんな自分じゃ…」と悲観せずに、自分の未来を自分で創っていってみましょう。
 「自分で創る」気持ちが、現実やネットのコミュニケーションを豊かにします。
 そしてもし、あなたの周りに「こんな大人はイヤだ」と思うような大人がいたとしたら、ただ反発したり文句を言うだけではなく、自分は将来そんな大人にならないようにしてください。一種の反面教師です。
 みなさんが自分の幸せな人生を過ごし、よりよい未来の社会を創っていくことを、陰ながら祈っています。
 「子どものみなさんへ」シリーズはこれでおしまいです。ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。コメント、ご感想、ご意見などありましたらお待ちしています。