SHIROのIchigoJam日記

マイコン「IchigoJam」(イチゴジャム)の電子工作とプログラミングをメインに

「ガラスの仮面」43巻

 「子どもと携帯電話」の難しい話が続いたので、ちょっと休憩。
 26日に、花とゆめコミックスガラスの仮面」43巻が発売されました。
 前の42巻が発売されたのが2004年で、4年ぶりのコミックスということになります。
 雑誌の「別冊花とゆめ」で昨年から連載が再開されていまして、今回の43巻にはその部分が収録されています。
 この「ガラスの仮面」(美内すずえさん作)はまさしく少女マンガの金字塔とも言える名作で、TVドラマやアニメにもなっていますから、北島マヤ姫川亜弓の2人が幻の舞台「紅天女」を目指して稽古して対決するストーリーは、皆さんよくご存知だと思います。
 実はこのストーリー、ファンの方は周知のことなのですが、複数のストーリーが存在します。その辺りを取り上げてみようと思って、年表を作ってみました。

※この他に特別総集編などの雑誌が出ているのですが、省略しています。詳細は拙作のデータベースを参照して下さい。
 「ガラスの仮面」の連載は「花とゆめ」誌上で1976年に始まりました。今から30年以上前のことです。
 時折休みを入れながら順調に連載は進み、コミックス化もされました。
 ところが86年辺りから、作者の美内さんが「雑誌に載った原稿は納得が行かない」とコミックス化の際に修正・描き直しをするようになり、雑誌とコミックスで全く別のストーリーになって行きました。もちろん「紅天女を目指す」大枠は変わらないのですが、個々のエピソードは全く違った物になっていきます。マンガ原作のTVアニメが原作と違うストーリーになるのはよくあるのですが、同じマンガなのに雑誌とコミックスでストーリーが違うという状態になってしまいました。
 そして段々と雑誌での休載が多くなり、97年に中断してしまいます。コミックスも41巻で止まってしまいました。
 長い中断の間、ファンはやきもきしていたのですが、7年後の2004年、突然コミックス42巻が発売されます。雑誌連載はしていないので、全くの書き下ろしでした。
 どんなストーリーなのかとても気になったのですが、読んでみると41巻の続きの内容でした。ただ、連載当時は出てこなかった携帯電話が登場したりして、時代の流れに一部混乱が見られました。
 その後またしばらく空白があったのですが、昨年・2008年についに「別冊花とゆめ」誌上で連載が再開されました。
 今回発売されたコミックス43巻は、昨年に別冊花とゆめで掲載された分が収録されています。(エピソードの前後入れ替えなどの直しは入っていますが)
 …という訳で、最近になってようやく雑誌とコミックスの足並みが揃いました。内容を見ても、数年の内には最終回まで行くんじゃないか、と私は想像しています。また長期中断が無ければ、ですが。
 この年表を見ると、ファンとして気になるのは「86年〜97年に『花とゆめ』に載ったストーリーはどうなるの?」ということですが、どうもこの流れを見ると「無かったこと」になってしまうようですね。
 私はマンガデータベース作成のためによく国会図書館へ調査に行くのですが、この期間の「花とゆめ」を借りると、ほとんどが綴じ目がはがれたりページが分離したりしてボロボロになっています。ガラ面ファンがたくさんコピーしたんだろうな、といつも思います。
 ストーリーとしてちゃんと決着を付けるのが一番なのですが、この「幻のガラスの仮面」を何とか活かす方法はないかな、とも思っています。
 そんな訳で、紅天女の行く末が気になる人はCheck it!

4592170032ガラスの仮面 43 (43) (花とゆめCOMICS)
美内 すずえ
白泉社 2009-01

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