これまでの「携帯禁止に物申す」では、「安易に『携帯禁止』にしてはいけない」というスタンスで、私が思う所をいろいろ書いてきました。
では、「携帯禁止」と言う代わりに、子どもと携帯電話の問題に対して、私達大人は何をしなければいけないのでしょうか。
これについては私も確かな結論があるわけではないですが、いくつか考えていることがあります。大人の皆さんへのメッセージとして、ぼつぼつ書いていきたいと思います。
先の記事で、「日本の15歳の子供は孤独感30%、世界でダントツ」というユニセフの統計を出しました。携帯のいろいろな問題の根本には、孤独感を抱えて、自己評価の低い子ども達の心のありようがあります。
子どもにとっては家庭が一番のベース基地ですから、まずは家庭を精神的な「居場所」「つながりを感じられる場所」にしないといけません。
そのための対策は、シンプルです。
「愛してる」「あなたが大切だ」などの愛情あるメッセージを、ちゃんと口に出して子どもに伝えて下さい。
我々日本人は伝統的に愛情表現が苦手なので、つい「言わなくてもわかるだろう」「家族なんだから当たり前でしょ」などと言ってしまいます。しかし、ちゃんと言わないと子どもには伝わりません。
逆に、こうした愛情あるメッセージを伝えないで、「勉強しろ」「〜しちゃダメ」とばかり言っていると、子どもが受け取るメッセージは否定的なものばかりになってしまいます。それでは、子どもは「私は愛されている」「大切な存在だ」と実感する事ができません。
よく「ネットじゃなくて、面と向かってコミュニケーションするのが大事だ」という大人の方がいるのですが、そういう人こそ、ぜひ子どもに面と向かって「愛してる」「あなたが大切だ」と伝えてください。それが「大事なコミュニケーション」でしょう?
子どもが「私は愛されてここにいる」「大切な存在だ」と今の自分で落ち着いていられれば、携帯やメールに過度に求めたり、依存せずに済みます。
自分が大切にされている子どもは、他人のことも大切にするようになります。掲示板やメールで人を傷つけたり、いじめたりしなくなります。その「結果として」携帯の問題は減っていくでしょう。
(心のありようがまず先にあって、携帯の問題はその「結果」であることに注意してください)
どうしても面と向かって「愛してる」なんて言えない、というシャイな保護者の方は、そんな時こそネットやメールを使う方法があります。
やはり先の記事で取り上げた、吉田賢治郎さんのブログ「けんじろうとコラボろう!」では、吉田家の家族間でのメールのやり取りが書かれています。
言葉では伝えられないことがある。だからメール Price less〜子供にネットを教える(3)
吉田さんは「メールというのは、家族のコミュニケーションの潤滑油として重要な役割を果たす。」と書いていて、実際に吉田さん、奥さん、子ども達が口ではなかなか言いづらい事をうまいタイミングでやり取りしている様子がわかります。
「親子で学ぶべきメールコミュニケーションのポイント」なども書かれていて、とても勉強になります。ぜひ読んでみてください。