SHIROのIchigoJam日記

マイコン「IchigoJam」(イチゴジャム)の電子工作とプログラミングをメインに

USB3シリアル基板

IchigoJam/IchigoDakeとパソコンをUSB3ケーブル(Type-C)でつないで、シリアル通信・プログラム転送や、ファームウェア書き換えをするUSBシリアルモジュール基板です。
市販のUSBシリアルモジュールでももちろんできますが、この基板はIchigoJam専用なので手軽につなぐことができます。
CH340チップ搭載の安価なUSBシリアルモジュールを使っています。
ISPスライドスイッチは以下のように切り替えます。

ボード シリアル通信時 ファームウェア書き換え時
IchigoJam S以前 R<(VCC) >S(GND)
IchigoJam R >S(GND) R<(VCC)

Resetボタンを押すとリセットがかかります。


IchigoJamのCN3とCN5に差します。
L型ピンヘッダをCN3のみに差す方法もあります。IchigoDakeとつなぐ場合はその方法で。

回路図

基板データ

*同じ基板を6枚割り付けています。
*この基板データは、CC BYライセンスとします。どうぞご利用ください。

(C) 2022 Shiro Saito (https://www.ichigoaman.jp)

SanadaJam-RL


IchigoJam Rの互換機です。
RのRISC-VのIC「GD32VF103CBT6」は、IC単体ではほとんど入手不可能です。
が、このICを組み込んだ開発ボード「Longan Nano」
akizukidenshi.com
はそれなりに手に入るので、これを搭載したR互換機を作ってみました。

Longan Nanoが長いので、基板も縦に長くなっています。IchigoJam用のケースには入らないのでご注意ください。


Longan Nanoは液晶ユニットは外して、付属のピンヘッダをはんだ付けします。


Longan Nanoから横に突き出したピンヘッダに、2列のL型ピンソケット(8P)を差して、基板に載せてはんだ付けします。
子ども向け工作教室では、この形のハーフキットにして配布するといいと思います。


モニタとキーボードをつなげば、普通にIchigoJam Rとして使えます。

回路図


8MHzクリスタルや3.3VレギュレータはLongan Nanoに搭載されているので、SanadaJam側では省略しています。
Longan Nanoは800円くらいするのですが、それらのパーツが載っていることを考えると、全体のコストは本家IchigoJam Rとそこまで大きな差はありません。
Longan Nanoが載ったハーフキットにして工作教室で配布すれば、その後にはんだ付けするパーツ数は本家より少なくなります。

基板データ

*この基板データは、CC BYライセンスとします。どうぞご利用ください。

(C) 2022 Shiro Saito (https://www.ichigoaman.jp)

材料

だいたい以下の順番ではんだ付けすると作りやすいです。

↑ハーフキットにするにはここまではんだ付け↑

ファームウェアの書き込み:(Case1)Longan Nano搭載のUSB3端子を使う場合

IchigoJam Rとして動かすには、Longan Nanoへファームウェアを書き込む必要があります。
Longan NanoのUSB3端子を使うと、USBシリアルモジュールを持っていなくても書き込みできます。ファームウェア書き込み初心者向けです。

1.ファームウェアファイルをダウンロード

IchigoJam公式サイトのダウンロードページから、ver 1.5.0のファームウェアファイルをダウンロードします。
展開したファイル内の「ichigojam-r.bin」がファームウェアファイルです。

2.Longan Nanoのツールをダウンロード

SipeedのLongan Nanoツールのダウンロードページ
https://dl.sipeed.com/LONGAN/Nano/Tools/

から、「GD32_MCU_Dfu_Tool_V3.8.1.5784_1.rar」をダウンロードします。
ダウンロードしたファイルを展開しますが、RAR書庫ファイルなのでWindows標準機能では展開できません。
7-zipなどのアーカイバツールを使って展開してください。

書庫を展開すると、フォルダが2個できます。
「GD32 MCU Dfu Drivers」:ドライバ
「GD32 MCU Dfu Tool」:書き込み・読み出しツール

3.ドライバをインストール

「GD32 MCU Dfu Drivers」フォルダ→「x64」フォルダ→「GD32 MCU Dfu Drivers.exe」を実行して、ドライバをインストールします。

4.PCとLongan NanoをUSB3ケーブルで接続

5.Longan NanoをISPモードにする

Longan Nanoにある2個のボタンを使います。

  • (1)BOOT0ボタンを押しっぱなしにする
  • (2)RESETボタンを押して離す
  • (3)BOOT0ボタンを離す

これでISPモードになります。

6.ツールを起動して書き込み

「GD32 MCU Dfu Tool」フォルダ→「GD32 MCU Dfu Tool.exe」を起動します。

起動時に更新確認の画面が出ますが「いいえ」を押してキャンセルしてください。
※「はい」を押してもリンク切れで更新できません。

ツールのウインドウが表示されます。
Longan NanoがISPモードになっていれば、デバイス名が表示されます。

  • (1)「Download to Device」をクリックして選択
  • (2)「open」ボタンをクリックして、ファイルダイアログからファームウェアファイル「ichigojam-r.bin」を選択。標準だと「~.hex」ファイルしか選べないので、ファイルの種類フィルタを「~.bin」に変えてください。
  • (3)「OK」ボタンをクリックして、ファームウェアを書き込み

書き込みが終わったらツールを終了します。

7.Longan Nanoをリセット

Longan NanoのRESETボタンを押すと、リセットがかかります。
このままでもUSB3ケーブルからの給電でIchigoJam Rとして起動して、モニタ画面は映りますが、キーボードが使えません。
(Longan Nanoのキーボードインターフェースとバッティングするため)

8.周辺機器を配線、動作確認

Longan NanoからUSB3ケーブルを外します。
ビデオ端子に液晶モニタ、USB A端子にUSBキーボード、micro USB端子にUSB電源をつなぎます。
電源スイッチをONにして、モニタ画面の表示や、キーボードから文字が入力できることなどを確認します。

ファームウェアの書き込み:(Case2)USBシリアルモジュールを使う場合

既にIchigoJamファームウェア書き換えの経験があって、USBシリアルモジュールを持っている場合は、それを使って書き込みできます。

1.USBシリアルモジュールを、ピンソケットに接続

SanadaJam-RLのピンソケットCN3を使って、TX、RX、VCC、GNDを接続します。
ISP端子はつながっていないので使えません(Longan Nanoの端子にISPが出ていません)。

2.Longan NanoをISPモードにする

上のCase1-5.と同様に、Longan Nanoの2個のボタンを使ってISPモードにします。

3.ファームウェアを書き込む


IJUtilitiesFirmware Writerなどを使って、ファームウェアを書き込みます。

4.Longan Nanoをリセット

Longan NanoのRESETボタンを押すと、リセットがかかって通常モードになり、IchigoJam Rとして起動します。
IJUtilitiesなどを使ってシリアル通信ができます。

デザインフェスタvol.55(5/21-22)出展情報

来たる5/21(土)~22(日)に東京ビッグサイトで開催される「デザインフェスタvol.55」に出展します!
東京近郊の皆さん、ぜひ遊びに来てください。
フリーペーパーなども作るので、冷やかしだけでも歓迎します。
designfesta.com

日時・会場など

  • 日時:5/21(土)・22(日)11:00~19:00
  • 会場:東京ビッグサイト
  • スペースNo.:西展示棟4F(暗いブース) I-67
  • サークル名:IchigoJaMan

なお、来場者はチケットが必要です。前売り・1日券で800円。当日は1,000円。コロナ対策で、事前に連絡先を登録する必要があります。
アート系のイベントなので、アクセサリやインテリアなど面白い物がたくさん出ています。
https://designfesta.com/about-ticket/

販売品

SanadaJam-RL 2,500円


IchigoJam Rの互換機。基板が本家より縦に長いですが、普通にIchigoJam Rとして使えます。

SanadaJam-S 2,500円


IchigoJam Sの互換機。EEPROM搭載で、標準の4ファイル+拡張で128個のファイルをSAVE可能。

StickJam 2,500円


バーサライタ専用IchigoJam。横に振ると文字が見えます。キーボードをつなぐと表示する文字や色を変更できます。

ビンゴマシン 3,000円


ボタンを押すと1~75の数字をシュートします。一度出た数字はもう出ません。
ボタンを1秒間長押しするとレビューモードになり、これまで出た数字を確認できます。

LEDマトリックスペンダント 3,000円


LEDマトリックスに文字列を表示するペンダント。キーボードをつなぐと文字列を変更できます。

電子さいころ 1,200円


ボタンを押すとさいころが回って、1~6の目をランダムに表示します。
複数を横連結して同時に振ることも可能です。

電子さいころCube 1,000円


立方体の電子さいころ。左右に振ると目が変わります。かわいいオブジェにいかがでしょうか。LEDは赤と黄色があります。

電子さいころmini 800円


電子さいころのミニ版。キーホルダーやペンダントにどうぞ。LEDが赤と黄色の2種類あります。

電子ルーレット 800円


ボタンを押すとルーレットが回ります。占いにも使えます。白基板+赤LED、赤基板+黄LEDの2種類あります。

LEDハートペンダント 700円


LEDがランダムに光るハート形ペンダント。白基板+赤LED、赤基板+黄LEDの2種類あります。

LEDネコ基板 500円


両目のLEDが交互に光ります。基板は黒猫と白猫の2種類、目の色はいろいろあります。

その他展示品

IchigoJam信号機、LEDサイネージなどを展示する予定です。

(5/29追記)デザインフェスタ当日の様子をchitoseArkさんに紹介していただきました。

note.com