SHIROのIchigoJam日記

マイコン「IchigoJam」(イチゴジャム)の電子工作とプログラミングをメインに

「携帯禁止」に物申す:(1)携帯の問題は「結果」に過ぎない

 先の日記にも書いたのですが、「文部科学省が『小中学校で携帯持ち込み禁止』の指針を出す予定」とのことです。
 私は基本的に「安易に『携帯禁止』をしてはいけない」と考えています。本業の情報センターのセミナーやイベントで子ども達に接している経験や、個人的に勉強している心理学・カウンセリング関係の知識からそう考えるのですが、そうした観点から物を言う人がなかなかいないので、この機会に書いてみたいと思います。
 学校裏サイトなどの掲示板やメールでのコミュニケーション、出会い系サイトなど、携帯に関するいろいろな問題が取り上げられますが、私は、携帯の問題は子ども達の心の問題が表に現れた「結果」に過ぎないと思っています。

 ですから、表の目に見える携帯の問題だけあれこれ対策しても仕方ないし、元の「原因」の子ども達の心の問題に向き合っていかないと本当の解決にはならない、と思っています。
 仮に「学校へ携帯持ち込み禁止」にした所で、その場では押さえつけられるかもしれませんが、「臭い物にフタをする」ことにしかならないでしょう。
 先の日記に書きましたが、先日のガールスカウトマルチメディア集会で、スカウトの中高生の女の子に「『大人ってどうして表の目に見える物しか見ようとしないんだろう』って思わない?」と聞くと、彼女たちはうんうんと頷いていました。
 我々大人もかつては子どもだったはずです。そして、周りの大人達に対して「どうしてわかってくれないんだろう?」と思ったこともあったでしょう。
 大人になると、どうしてその思いを忘れてしまうのでしょうか。
 日々の生活に忙殺されて、目に見えない人の心を思いやる余裕が無くなってしまうのでしょうか。苦しい子ども時代や青春時代をくぐり抜けて大人になって、喉元過ぎれば熱さを忘れてしまうのでしょうか。私もその理由をいろいろ考えているのですが、結論は出ていません。
 それはともかくとして、子ども達の表の行動だけでなく、内面の心の問題にいかに向き合っていくか。理解していくか。難しい事ですが、ネット時代の今こそ必要なことではないかと思っています。
 さて、携帯に関して起こる個々の問題について、そして安易な「携帯禁止」に反対する理由について、私が考えることを何回かに分けて書いていきたいと思います。よろしくお願いします。