朝御飯も美味しかったです。
昨夜は雨から雪に変わり、一面の雪景色に。
旅の最終日になってようやく冬の東北らしくなりました。
歩いて津軽中里駅へ。
駅にはチャンコ食堂が併設。昼営業のみ。
ホームは1面1線ですが、ストーブ列車などの臨時列車も走るので、ホームがかなり長いです。機関車入れ替えのため側線も何本かあります。
終点の車止め方面。機関車入れ替え用の側線がつながっています。
五所川原方面へ伸びる線路。
転車台と木造の古い車庫。
9:49発の五所川原行き。朝ラッシュも終わっているので1両編成。
「津軽鉄道はまだ大丈夫 そう思っていませんか?」
レールオーナーを呼びかけるポスター。
一口5000円で、会員専用切符やピンバッジがもらえるようです。
https://tsutetsu.com/railowner
我が上田の上田電鉄別所線も赤字や存廃を議論されているので、他人事ではありません。
地方の鉄道がそれ自体で黒字になることはまずあり得ません。必ず赤字を出します。しかしその赤字以上に地域への貢献があれば、残す価値があります。
例えば別所線の終点の別所温泉は観光地ですが、別所線があるお陰で、多くの地図や時刻表に「別所温泉」の文字が掲載されます。もし別所線が廃止されてバス転換したら、掲載は格段に減るでしょう。前と同じ露出を維持しようとすれば、莫大な広告料が必要になります。
これは一例ですが、鉄道は単なる輸送手段ではなく、地域への有形・無形の貢献度はかなり高いのです。鉄道好きの一意見ではありますが。
列車は雪原の中を走って行きます。いかにも「津軽鉄道」の風景。
芦野公園駅。今は雪に埋まっていますが、芦野公園は桜の名所です。太宰治の文学碑もあって、命日の「桜桃忌」には式典も行われています。
(誕生日と同じ日なので、現在は「生誕祭」と名前を変えているそうです)
雪の中を列車は走ります。
津軽五所川原駅に到着。今日は観光客がいなくて閑散としています。
昨日は人が多過ぎて撮れなかったので、津軽五所川原の駅舎内の様子。
JRの五所川原駅へ。11:08発の五能線・深浦行きに乗ります。
五能線の時刻表。一日10本ほど。
五能線と言えば観光列車の「リゾートしらかみ」が有名ですが、今日は午前の上りしらかみ号が「運転日ではありません」。
走っていたらぜひ乗りたかったのですが。
ホームへ出ます。
五所川原は「立ちねぶたの街」だそうです。知らなかった。
平成になってから作られた新しい物のようです。
駅の隣に建つ、立ちねぶたの格納庫。デカい!
これでも中型サイズ。
数分遅れで深浦行きの列車が来ました。GV-E400系。ディーゼルエンジンで発電してモーターで走るディーゼル・エレクトリック方式です。バッテリーは積んでいないのでハイブリッドではありません。
ディーゼルエンジンで発電して、モーターを回して…と2段階になるとエネルギーをロスして無駄のように見えます。
が、エンジンで直接動輪を回すと、低速域から高速域までトルクを出すのが難しく、却ってエネルギーをロスします。発電機を回すなら一定のトルクで良いのでパワーを十分発揮できます。
またディーゼル・エレクトリック方式だと、モーターなどの電気駆動部分の機器を電車と共通化できるので、製造やメンテナンスで有利になります。
「鰺」は「鯵」ではなく、ムが3つの難しい字の方のようです。
冬の日本海が見えて来ました。
こんな風景が見たくて五能線に乗りました。
千畳敷海岸。江戸時代の地震で隆起した岩畳です。
殿様が千畳の畳を敷いて宴会をした伝説があるそうです。
驫木(とどろき)駅。馬が3つの漢字は音読みで「ヒョウ」などと読んで、その形のとおり馬が群がって走る様を表すそうです。
だんだん天気が良くなってきました。そろそろ深浦に着きます。
行合崎海岸。複雑な海岸線で、五能線の列車の撮影ポイントだそうです。
深浦駅に到着。
深浦は江戸時代に北前船の風待ち港として栄えました。
そして次の上り列車まで2時間待ちです(^_^;)
待ち時間を使って観光します。
駅前の海岸。テトラポットにカモメがいっぱい。
駅前の商店街を歩いて行きます。
歩いてすぐにごはん屋さんがあったので入店。
お店のウリらしい人参ビーフシチューにも惹かれたのですが、結局マグロとサーモンの海鮮丼を注文。サーモン好きなんです…
丼の他にもマグロの胃袋、ごはんの紅シソの漬物、ワカメやリンゴなど盛り沢山の御膳。美味しかったです(^_^)
役場の向かいにある歴史民俗資料館と美術館。民俗資料館の方を見学しました。(館内は撮影禁止)。
期待していた北前船に関する展示は無く、中世の絵図の他、明治以降の農機具や生活用品が展示されていました。
変わった物では蓄音機やラジオなど。個人的に一番興味を惹いたのは、昭和43年製のカシオIC電卓152でした(笑)
役場の横から望む深浦港。タコツボ形の湾になっていて、嵐を避ける風待ち港として最適だったそうです。
ゆっくりご飯を食べていろいろ観光していたら、2時間待ちもあっという間。東能代行きの列車に乗り込みます。
深浦駅は1面2線の構造で、駅舎から構内踏切でホームへつながります。
深浦駅を発車。引き続き冬の日本海に沿って走って行きます。
艫作(へなし)駅。これもかなりの難読。青森県最西端の駅だそうです。
ウェスパ椿山駅。元はリゾート施設がありましたが2020年で閉鎖。現在は駅前の物産館のみ営業しているそうです。
十二湖駅。十二湖は白神山地西部にある湖沼群で、水が青い「青池」が有名です。一度行ってみたい!
海に御来光。
海際にずらりと並ぶ風力発電。鳥形駅付近。
能代駅。「バスケの街」ということで、ホームにバスケットボールのゴールがあります。
東能代駅で秋田行きに乗り換え。こちらにもバスケットゴール。
帰宅ラッシュで車内は高校生でいっぱい。地方の鉄道は高校生の通学需要に支えられています。
夕方の秋田平野。
ここからは見えませんが、向こうに八郎潟の干拓地があります。琵琶湖に次いで日本第2位の面積の湖だった八郎潟を干拓して、広大な農地を造り出しました。
1964年に干拓工事が終了、1967年から入植が始まりましたが、工事前からは農業状況が激変して1970年から減反政策が始まってしまいました。
追分駅の手前で、男鹿半島へ伸びる男鹿線の線路と合流。
男鹿へは3回行きましたが、2017年の大晦日には門前集落で「なまはげ体験ツアー」に参加して、なまはげをやらせてもらいました。とても楽しかったです(^_^)
その後2018年になまはげがユネスコ無形文化遺産に登録されて、体験ツアーも半島各地で行われているようです。
秋田駅に到着。奥羽本線の新庄行きに乗り換え。
秋田地域の電車はピンクのラインです。
大曲駅で12分停車。左側が秋田から乗ってきた奥羽本線の電車、右側が田沢湖線の盛岡方面へ行く電車。見た目はほとんど同じですが、田沢湖線の電車は秋田新幹線に合わせて線路幅(=車輪の幅)が広くなっています。右側でたくさんの乗客が待っているのが秋田新幹線ホーム。
横手駅で下車。
横手は焼きそばとかまくらの街です。
ちょうど昨日・今日がかまくら冬まつりなので来てみました。
駅前のかまくら灯籠
中の照明はチラチラ光るろうそく形のLEDです。これ、帰ったら作ってみようかな。
市役所前のかまくら会場。すごい人出で行列しています(^_^;)
道には雪が全然ありません。ビックリです。
横手には25年前の2月に一度来たのですが(まつりの日ではなかった)、その時は文字どおり街が雪に埋まっていて、路地にたくさんのかまくらが作られていました。今年の暖冬は本当に異常です。
川原に並ぶかまくら灯籠。
こちらはろうそくですが、炎の熱でかまくらがだいぶ融けてしまっています。
横手公園のかまくら会場。
このかまくらは人が少なかったので、入れました。
かまくらには水神様が祀られています。まずお祈りしましょう。
かまくらによっては、中で餅を焼いて振る舞っています。これが本来のかまくら行事。
ただそれもかなり行列しています。
思うに、暖冬の雪不足でかまくらが少数しか作れなかった所に観光客が集中して、オーバーツーリズムになってしまったのではないでしょうか。
市内4カ所のかまくら会場を回る無料巡回バスが走っています。
市役所隣の施設「かまくら館」。ここでは大きな冷凍室にかまくらが保存されていて、一年中かまくらを見ることができます。今日は特別に夜間開館しているようです。
一通りかまくらを観光して、だいぶ遅くなりましたが夕御飯。横手焼きそばの有名店「食い道楽」へ。
何種類か焼きそばがあるのですが、量とアスパラトッピングに惹かれて「道楽得焼きそば」を注文。
焼きそば2玉分の大盛りに目玉焼き、バラ肉、アスパラが乗っています。ソースが薄味でダシが効いた感じで美味い!
ハート形の容器はマーボーあんで、後半はそれをかけて味変して食べます。満腹(^_^)
横手駅そばのバスターミナルへ。
22:20発の東京行き高速バスに乗ります。
東北の行き・帰りとも夜行高速バス。なかなかハードです(^_^;)
バスが来たので乗車。東京駅に6:00着予定です。
翌朝、バスはほぼ定刻で東京駅に到着。
新幹線はくたか号で上田へ帰ります。
上田まで帰ってきました。冬の東北は楽しかったです。
読んでいただいた皆さん、ありがとうございました。